終活社会福祉士のブログ

福祉の専門家の視点からのエンディングノートを書く意義や終活のお話しを綴って行きます。

キョウイクとキョウヨウ⑤

よりよく生きるためのエンディングノート作成支援をして来た

 

終活社会福祉士 上田利枝です。

 

キョウイクとキョウヨウ

 

元々の教養がなければできないこと、

それは、上手な世代交代であったり、

他人の手が必要となった際に、

素直に手を借りる潔さです。

 

今日は、素直に手を借りる潔さ

について、実践された方のお話しです。

 

わたしは、大島青松園という

ハンセン病回復者のみなさんが暮らしている

療養所で委託事業を運営しております。

 

Aさんは、ある日、入院され、

退院されたものの、車椅子での生活に

なりました。

これまで、ハンセン病の後遺症で、

お手は不自由でしたが、

極力、自分のことは自分ですることを

心情に生活しておられたこともあり、

これまで、一部、大切なものを

うちの金庫でお預かりしていましたが、

通帳を預かるなど、金銭管理についての

ご支援は、全面的に拒否されておりました。

 

それが退院され、

不自由なことがあれば…と伺うと、

通帳などすべて預けて、1番、うちの

サービスに依存度の高い形のサービスを

希望されました。

 

これには、少々、驚きました。

 

どの方も、当然、お金は大切です。

いきなり自身の意思で、

預ける、すべてを任せるという方は

それまで誰もいらっしゃいませんでした。

 

それは、うちのサービスでは、

ケアマネジメントの考え方を軸に、

極力、できるところは自身でしていただき、

認知症などで、徐々にしんどくなって

来た事柄に対して、

利用者さんとお話ししながら、

うちへの依存度を上げて行く形で、

信頼関係を作りつつ、支援計画を

変更しながら進める方が

ほとんどだったからです。

 

この委託事業を始めて、

この方ほど、スパッと自身の意思で

うちのサービスにお金を委ねることが

できた方は、後にも先にも、

Aさんだけだと思います。

 

それは、他人に頼る…、任せる…、

 

という行為は、

ご家族がいない方や、

ひとりで頑張って生きてきた方にとっては、

とてつもなく難しい行為だからです。

 

その難しさを知っておくことこそが

『知る備え』です。

もちろん、世の中には悪い人もいます。

時には、身を守るための頑なさも必要です。

しっかりしているうちに信頼できる

人を見つけておくことが鍵になります。

 

先日、久しぶりに園内にある納骨堂を

開けていただき、Aさんをはじめ、

旅立たれた方々にお会いして来ました。

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いつか来るその日…、

わたしもこうありたい…。

 

この潔さには、

学ぶところが多々あると思います。

 

みなさんは、どう思われますか?!

 

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